16時間断食でサーチュイン遺伝子を活性化

サーチュイン遺伝子 16時間 活性化

「サーチュイン遺伝子を活性化するには何時間断食をすればいい?」
サーチュインの活性度は人間が感じることができないので、どれくらいの時間断食を行えばいいかわからないですよね。

断食によって活性化するサーチュイン遺伝子ですが、現時点で活性化に必要な空腹時間は明らかになっていません。
しかし、オートファジーとサーチュイン遺伝子の関係から、16時間がひとつの目安になっています。

間欠的断食でサーチュイン遺伝子を活性化したい方のために、おすすめの食事時間や生活パターンについてお伝えします。

記事監修

ルサンククリニック院長
長谷川 佳子(KEIKO HASEGAWA)

北里大学を卒業後、横浜市立大学にて美容外科を研鑽。現在は形成外科医として医療を提供する傍ら、思春期の娘と男女双子を育てるワーキング女医ママとして、クリニック治療からホームケアまで情報を発信している。
ルサンククリニック(LECINQ clinic)

16時間断食でサーチュイン遺伝子は活性化

日本でベストセラーとなった
「『空腹』こそ最強のクスリ」には、オートファジーの健康効果について書かれています。

「空腹」こそ最強のクスリ

また、世界的ベストセラーとなった”LIFE SPAN(老いなき世界)”には、サーチュイン遺伝子の活性化による健康効果について書かれています。

混同していまいがちですが、「オートファジー = サーチュイン遺伝子の活性化」ではありません。
どちらも「空腹」がきっかけで起きており、発生のメカニズムは密接に関わっていますが、別の現象です。

現象オートファジー
発生
原因
空腹によりmTOR(エムトア)の動きが阻害※
食後16時間で肝臓の糖質がなくなる
作用新しいタンパク質の合成を抑止する
カロリーが足りないので細胞の古い成分を再利用する

※2011年の研究で、空腹にならなくてもmTORに影響を与えられることがわかってきた
Amino acids activate mammalian target of rapamycin complex 2 (mTORC2) via PI3K/Akt signaling

現象サーチュイン遺伝子の活性化
発生
原因
空腹、運動、温熱刺激など、細胞がストレスを察知
補酵素の一種である「NAD+」の濃度が上がる
作用脱アセチル化により、遺伝子の損傷を修復
高効率なミトコンドリアの増加

現時点でサーチュイン遺伝子活性化のメカニズムは完全に明らかになったわけではありませんが、オートファジーによって生み出されたNAD+がサーチュイン遺伝子の活性化を引き起こすとされており、この2つはほぼ同時に起きていると言われています。

食後16時間でオートファジーが起きることから、16時間の絶食でサーチュイン遺伝子を活性化する効果があると言えます。

食事時間をずらしてサーチュイン遺伝子を活性化

サーチュイン遺伝子を活性化する方法は、運動やサウナなど様々な方法があります。
しかし、カロリー制限が効果的であることがわかっているため、食事時間をずらして行う間欠的ファスティングおすすめです。

間欠的断食(ファスティング)で期待できる効果

間欠的ファスティングとは、常に行う断食ではなく、1日のうちに胃の中を空っぽにする時間を作ることです。
長く続ける断食(ファスティング)より肉体的、精神的負担が少なく、かつオートファジーを機能させることができます。

間欠的ファスティングによりオートファジーが発動し、サーチュイン遺伝子が活性化することで

  • 老化の進行が遅れる
  • 身体能力が向上する
  • 免疫力が向上する
  • 認知能力が向上する
  • 肌ツヤ・髪質がよくなる

などの効果が期待されています。
人間をベースにした研究の数はまだ少ないものの、動物で行った実験ではいずれも成果が出ています。

朝食抜きで16時間の断食

16時間の断食を行う方法として、朝食を抜く方法があります。
断食には睡眠時間を含めても問題ありません。
むしろ、消化後に就寝することで睡眠の質が良くなるので、就寝前後4時間で断食を行う生活がおすすめです。

休日に1日1食パターン

間欠的ファスティングは、毎日続ける必要はなく、休日だけでも十分に効果を発揮します。
土日は昼までぐっすり眠っているという人にはおすすめの方法です。

前日の20時くらいに夕食をとり、翌日は昼過ぎまで眠ってから昼食をとれば、それだけで16時間の断食ができます。
「仕事の付き合いが多く、夕食の時間をコントロールするのが難しい」という方はぜひ試してみてください。

長寿が多い地域で見られる断食の文化

中国南部の巴馬ヤオ族自治県では、長寿スポットとして有名で、100歳以上の人が多く暮らしています。
ここでは文化として朝食をとる習慣がなく、オートファジーを起こしやすいリズムで生活を送っています。

巴馬ヤオ族自治県に住む人々は、お昼ごろに最初の食事を少量口にし、夕暮れになったらもっとボリュームのある食事をします。
良質で体にいい食物をたっぷり手に入れることができるのですが、あえて食べない生活をしています。

他にもギリシャのイカリア島やイタリアのサルデーニャ島では、宗教的な理由で断食を行う習慣があり、いずれも100歳以上長生きする方が多いことで有名です。

注目の成分「NMN」

近年ではサーチュインの研究が進み、詳細なメカニズムが明らかになってきました。

そこで見つかったのが、NMNという成分です。

NMNはサーチュインを活性化することが期待される成分で、体内で素早く吸収されます。
実際にNMNを投与したマウスの寿命が延び、見た目も明らかに若々しくなるなど、動物実験ベースでは成果が報告されています。

断食でもサーチュインの活性化が期待できますが、空腹感に耐える長期間の断食は、ストレスもたまります。
仕事で忙しい時は食事の時間が変則的になったり、ストレスで食べ過ぎてしまうと罪悪感を感じることもあります。

月に数回の断食に励みつつ、頑張れない時はNMNサプリを併用することで、より安定的なケアを行うことができるでしょう。

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