サーチュイン遺伝子を運動で活性化する方法

サーチュイン遺伝子 活性化 運動

長寿遺伝子として知られるサーチュイン遺伝子ですが、運動によって活性化できると言われています。
中でも効果的なのがHIITトレーニングという運動です。

この記事では、HIITトレーニングの方法や、サーチュイン遺伝子が運動で活性化される理由についてお伝えします。

記事監修

ルサンククリニック院長
長谷川 佳子(KEIKO HASEGAWA)

北里大学を卒業後、横浜市立大学にて美容外科を研鑽。現在は形成外科医として医療を提供する傍ら、思春期の娘と男女双子を育てるワーキング女医ママとして、クリニック治療からホームケアまで情報を発信している。
ルサンククリニック(LECINQ clinic)

HIIT(ヒート)トレーニングとは?

HIIT(ヒート)トレーニングとは、高強度インターバルトレーニングの略で、高負荷の運動と低負荷の運動を交互に行うトレーニングのことです。

それぞれの運動の時間を決めて

  1. 無酸素運動
  2. 有酸素運動
  3. インターバルもしくは完全休息
  4. 無酸素運動…(以降繰り返す)

という流れが基本になります。

全力で行うことで
サーチュインの活性化に

ポイントは、それぞれの動きを“全力”で行うことです。
全力で行うことで、体が一息つかないと二言三言しか離せない状態となりますが、その状態こそがサーチュイン遺伝子の活性化に最も効果的だと言われています。

HIITトレーニングの
メリット・デメリット

HIITトレーニングは、短期集中で効果が出やすく、心肺機能と筋力の両方を同時に鍛える事ができます。
しかし、自分を限界まで追い込む必要があることから、運動する習慣がない人にはかなりキツく感じます。
運動する習慣がない人は、30分以内のジョギングをすることでもサーチュイン遺伝子を活性化することができると言われていますので、まずはそこからスタートしてみましょう。

運動でサーチュイン遺伝子が活性化する理由

人の寿命には、テロメアの長さが深く関わっていることがわかっています。
また、運動によってテロメアの長さをキープすることができると言われています。

テロメアの長さが寿命と関係

テロメアとは、染色体の先端にあるDNAの集合体です。
染色体の保護キャップのような役割を持ち、年齢とともにすり減って、短くなっていく特徴があります。

運動がテロメアの短縮を遅らせる

アメリカの疾病対策センターの研究によると、よく運動する人(1日30分のジョギングを週に5日行う人)は、座りがちな生活をする人よりもテロメアが長く、その長さは10歳近く若い人と同等だったことが判明しました。
参考:Physical activity and telomere length in U.S. men and women

運動がテロメアの短縮を遅らせるメカニズムはまだ解明されていませんが、運動することで体にストレスがかかり、細胞の防衛スイッチがオンになることで、テロメアを修復する力が強くなっていると考えられています。

HIITが最も遺伝子を活性化

アメリカのメイヨークリニックの研究によると、最も遺伝子を活性化させるのがHIITトレーニングであるという結果が出ています。
出典:Why interval training may be the best workout at any age

HIITの効果を調査したこの研究では、HIITトレーニングを行った人65歳以上の人の筋肉細胞が若返っていた報告されています。
65歳以上の人は30歳以下の人と比較して、HIITトレーニングによって細胞が劇的に変化しています。
「運動を始めるのに遅すぎるということはありません」と、研究を行ったメイヨークリニックは述べています。

サーチュイン遺伝子の活性化によって得られるもの

まだ謎が多く残されているサーチュイン遺伝子ですが、マウスを使った実験では

  • 肌ツヤがよくなる
  • 運動能力が向上する
  • 寿命が伸びる

と、若返りの効果が数多く報告されています。

サーチュイン遺伝子の活性化には、運動以外にも断食や寒さなど細胞にストレスを与えることがトリガーになると言われています。
人間も同じ哺乳類であり、細胞の仕組みは同じなので、同様の効果が期待できるかもしれません。

ところが最近は研究が進み、細胞にストレスを与えなくてもサーチュイン遺伝子を活性化する可能性が見えてきました。

その方法のひとつがNMNという成分です。

サーチュイン遺伝子は、NAD+という分子が増えることがきっかけで活性化することが判明しました。
NAD+を増やすためには、NAD+を作るもととなるNMNを摂取することで増やすことができます。
NMNはアボカドや枝豆などの食品にも含まれていますが、含有量はごくわずかです。
そのため、効率的に摂取するためには、サプリメントから摂取するのがおすすめです。

NMNやサーチュイン遺伝子の謎が全て解明されるまで、まだまだ時間がかかりそうです。
しかし、「体が若返り、いつまでも健康でいられる」という信じられない未来が、いずれ現実になるかもしれません。
今からほんの少しだけエイジングケアをする意識を持つだけでも、若々しい肌や健康な体の維持につながるでしょう。

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